言語(8類)

日本語は「空気」が決める 井塚章文の本棚

日本語は「空気」が決める

タイトルのつけかたは以前から言っているが新書にたまにある疑問のあるもの。サブタイトルのままでよかった。というかこの本は岩波新書で出すべきもの。新書には新しい話題を紹介するものとある分野の入門書になっているものが多いと思うが、この本はまさに後者。教科書のような本である。勿論、例示にアニメ作品を使ったり…
日本語教室 (新潮新書) 井塚章文の本棚

日本語教室 (新潮新書)

劇作家だった井上ひさしは言葉を大事にした。これまでもタイトルに日本語や国語を含む著作が幾つもある。この本は上智大学でおこなわれた講演を元にしている。勿論、国語学者ではないわけだから専門家の評価は不明だ。基本的にはエッセイと考えたほうがいい。楽しい本なのだ。そして日本語とはどいう言語なのか考えさせられ…
我的日本語 The World in Japanese (筑摩選書) 井塚章文の本棚

我的日本語 The World in Japanese (筑摩選書)

リービ英雄の本は初めてだ。しかも筑摩選書ということでエッセイだ。そもそも私は著者を日系アメリカ人だと思っていた。そうでないことを本書で知ったのだがそれにしても彼の日本語に対する思い入れは凄い。アメリカ人が日本語で書くことの意味を語ったのが本書なのだ。世界文学には昔から出身国とは違う言語で文学活動をし…
日本語は敬語があって主語がない 「地上の視点」の日本文化論 (光文社新書) 井塚章文の本棚

日本語は敬語があって主語がない 「地上の視点」の日本文化論 (光文社新書)

「主語を抹殺した男」「日本語は亡びない」に続いて金谷武洋は3冊目、さすがに飽きてきた。基本的には今までの本と変わらない。日本語は地上の言葉でそこから上を見れば尊敬、相手から見れば謙譲となりそれはひらがなではなくローマ字で書けばわかる。例えば「あげる」「くれる」ここまではいいのだが相撲の品格とか俳句の…
数になりたかった皇帝――漢字と数の物語 井塚章文の本棚

数になりたかった皇帝――漢字と数の物語

めずらしい本だ。漢数字がテーマの雑学集である。雑学と書いたが著者の職業は編集者でありその職業に必要と思われる教養という意味での雑学で特に漢和辞典の編纂や漢字に関しての著者があるということで中国古典に詳しいと思われる。中国文学者には優れたエッセイストが多いが著者もそのひとりなのだろう。ちなみにタイトル…
日本語は亡びない (ちくま新書) 井塚章文の本棚

日本語は亡びない (ちくま新書)

「主語を抹殺した男」に続いて金谷武洋。と思ったら3年経っていた。今回のテーマはずばり日本語は亡びないから安心せよということ。誰に言っているのかと思ったら水村美苗宛だった。さて著者の主張は二つある。まず日本語は強靭な言語であり英語がいわば修正しきった硬直した言語であるのに対し五重塔のように長持ちしてい…
ん―日本語最後の謎に挑む (新潮新書) 井塚章文の本棚

ん―日本語最後の謎に挑む (新潮新書)

いい本だ。新潮選書向きの充実した内容だが「ん」というタイトルといいテーマといい新書で行こうとの判断なのだろう。「ん」とはなにか母音を伴わない発音そして文字である。日本語(大和言葉)には「ん」はなかったのだが中国語には多数ありそれを表記するために我々の先祖は苦労したらしい。また矛盾するようだが「ん」と…
原始日本語のおもかげ (平凡社新書) 井塚章文の本棚

原始日本語のおもかげ (平凡社新書)

タイトルがわかりにくいが漢語ではない古来の言葉和語の由来を扱った本である。エッセイ風でなかなかいい。「こだま(木霊)」と「やまびこ(山彦)」の違いや「まくら(枕)」「たすき(襷)」の語源。3音の言葉はどう合成されたかという一般論を知るだけでも有益である。…
漢字の文明 仮名の文化―文字からみた東アジア (図説 中国文化百華) 井塚章文の本棚

漢字の文明 仮名の文化―文字からみた東アジア (図説 中国文化百華)

書家である石川九楊が書いた漢字論。半年前の刊行、「白川静」と同じ頃である。本書にも白川静への言及があるが白川が漢字も日本語というのに対し石川は日本語(かな)も漢字という。正反対のようだが要するに漢字が中国語、かなが日本語という考えはおかしいということ。確かに国字の存在や日本で造られた熟語が中国語にな…
白川静 漢字の世界観 (平凡社新書) 井塚章文の本棚

白川静 漢字の世界観 (平凡社新書)

平凡社は白川静の字書三部作の版元である。その平凡社新書で松岡正剛による白川の評伝が出た。「字統」等は大著なので私の持っているのは入門編の「常用字解」であるのだが凡人には漢字というのはおどろおどろしいものだなあとしか思えなかった。だが本書を読むとさすが松岡さん、うまく解説している。「常用字解」の表紙に…
ヒエログリフ解読史 井塚章文の本棚

ヒエログリフ解読史

ロゼッタストーンから古代エジプトの象形文字であるヒエログリフを解読した話なのだがそれを成功させたシャンポリオンだけではなくロゼッタストーンの発見から現代までのいわば通史である。それは歴史とはなにか、学問(この場合は言語学)とはなにかを考えさせることかと思う。ロゼッタストーンには3種類の同一内容の文字…
適当な日本語 (アスキー新書 76) 井塚章文の本棚

適当な日本語 (アスキー新書 76)

著者は金田一京助の孫、春彦の息子である。この本は3つの章で構成されている。第1章は「適当な日本語相談室」で例えば「さわりって歌のどの部分」という質問に対し本来は一番いいところというような意味だったが最近は出だしの部分をさすことも多いと回答。このへんがタイトルでいう「適当な」ところです。第2章は「今こ…
かなづかい入門―歴史的仮名遣vs現代仮名遣 (平凡社新書) 井塚章文の本棚

かなづかい入門―歴史的仮名遣vs現代仮名遣 (平凡社新書)

サブタイトルにあるように仮名遣の変遷がテーマ。正直、歴史より現在のそれが問題だと思うのだが。というのは王監督はオウなのに通りはトオリだったり続きはツヅキだが雫はシズクであるように発音に違いがないのに仮名遣は変わってくるのがそういう決まりとはわかっているけど悩むことがあるからだ。昔は普通の人はあまり関…
訓読みのはなし 漢字文化圏の中の日本語 (光文社新書 352) 井塚章文の本棚

訓読みのはなし 漢字文化圏の中の日本語 (光文社新書 352)

また漢字の話しである。いささか飽きてきた。あまりに細かい話と思えた。しかし私が仕事上、漢字の読みで苦労しているせいもあるかと思い直した。例えば御という字があり古い本なぞで天皇に関する言葉に皆、この字を付けている。「お」「おん」「み」「ぎょ」「ご」のいずれで読めばいいのか。勿論、前の2つが訓読みなので…
漢字は日本語である (新潮新書) 井塚章文の本棚

漢字は日本語である (新潮新書)

最近漢字に関する本が多く出版されている。これもそんな本のひとつだがユニークなのは新潮社の社員が編纂した(このこと自体ユニークだが)「新潮日本語漢字辞典」の宣伝になっている点である。つまり漢字は中国語の文字じゃない(漢和辞典は英和のように漢語日本語の対訳のための辞書)日本語の文字だという立場なのだ。と…