月別: 2013年10月

ジェントルマン 井塚章文の本棚

ジェントルマン

「学問」のあとが「紳士」というのも意味深。実際、一見紳士だが実は怪物の話である。「学問」同様、同級生の話だ。同性愛の話なのだがむしろ怪物としての人間(心太(しんた)は人を魅了する性格が常人を超えている。と「学問」の感想に書いたが今回はその裏バージョンなのか)の話で結末はふさわしい。なにかフランス文学…
曾根崎心中 井塚章文の本棚

曾根崎心中

「ひそやかな花園」を読んで以来の角田光代作品。だいぶ違う。現代小説と時代小説、今回は原作(近松門左衛門)があるとこ。だがよく知らないのだがライトノベルというのは質はともかくこういう環境と個人の関係をテーマにした作品が多いのではないだろうか。逆にいえば近松作品はギャルたちにも受けるはずなのだが。しかし…
相田家のグッドバイ 井塚章文の本棚

相田家のグッドバイ

わたしにとってはひさびさの森博嗣作品。まったく趣が違う「相田家」は平成時代の私小説である。ここには貧困も成り上がりも登場しない。インテリ家庭小説というのは昔もあったろうがそれは特殊な家柄の話であったのではないか。相田家は普通の家である。強いて言えば時代がよかった。勿論、父秋雄は頭がよかった。だが基本…
贈与の歴史学 井塚章文の本棚

贈与の歴史学

タイトルは歴史学だが内容は経済史といっていいだろう。贈与のシステムがほぼ資本主義経済といっていいまでになっていた15世紀の日本の実情を大量に残っている公家や僧侶の日記から紹介している。ではなぜ当時つまり室町時代の経済システムは資本主義に移行しなかったのか。そこがよくわからなかった。戦国時代に入りこの…
レベル7 井塚章文の本棚

レベル7

評判になった東京新聞の原発報道の書籍化。この程度で評判になったのは他の新聞がダメだったということ。確かに調査報道ではあるがつっこみはない。一般紙(ローカル紙だが)の限界だろう。…
土蛍 井塚章文の本棚

土蛍

「猿若町捕物帳」シリーズの5冊目らしい。読むのは初めて。少ない知識で言うのだが、同じ著者だから当たり前でもあるのだが、「ビストロ・パ・マル」シリーズと似た心地良いミステリーだった。謎解きは人の心の不思議さ。だから推理小説としては本格派とはいえないだろう。読書の楽しみは何も犯人探しばかりではない。同心…
「つながり」の進化生物学 井塚章文の本棚

「つながり」の進化生物学

「言葉はなぜ生まれたのか」の岡ノ谷一夫が高校生を相手に4日間の講義を行った記録。当然ながら内容は似ている。違いは語り口。「言葉は」絵本のようないわばイメージで説明する、ものだったが今回は話し言葉で解説していくスタイル。どちらにしろ学術書の形式ではない。そこがいい面と悪い面があるだろう。なんとなくわか…
二流小説家 井塚章文の本棚

二流小説家

映画化されたが原作本に当たる本書を読んだのは1年以上前。そのときの感想は・・・。一瞬都筑道夫を連想したが要するに半世紀前の小説のように思えたのだった。なぜアメリカの大衆小説はこうもグロいのだろう。アメリカ探偵作家クラブ賞最優秀新人賞候補作とのことだが結果はどうなったのだろう。設定はとても面白いのに残…