井塚章文の本棚 24 11月 2013 冥王星を殺したのは私です とても面白い本だった。第一にまるで冥王星発見史の逆がテーマのようであること。勿論そんなことはなくカイパーベルト天体(海王星軌道より遠い天体)から冥王星より大きな惑星(第10惑星として話題になったエリス)を発見してしまった科学者の話である。それが科学の進歩といえばそうなのだが実に地味な探索の結果だった… 続きを読む
井塚章文の本棚 24 11月 2013 星月夜 なぜこのタイトルなのか。中身は完全に警察小説というのか、推理小説である。しかも「砂の器」を完全に連想させる。地方から東京に出てきて殺される。犯人は書かないでおく。… 続きを読む
井塚章文の本棚 17 11月 2013 さわり 「さわり」とは元々、三味線や琵琶といった邦楽器の構造で糸を本体に触れさせ、その音とともに 軽い雑音を生じさせるものらしい(表紙の写真はその場所か)のですが転じて(どう転じるのか不明ですが)最大の聞かせどころを意味するようになったらしい。さらに物語の最初の部分と誤用されているという。本書で特にこの言葉… 続きを読む
井塚章文の本棚 17 11月 2013 人道的帝国主義 刺激的なタイトルだが内容も凄い。民主主義のために他国に介入するという新たな帝国主義を批判している。圧政に苦しむ民衆を見過していいのかという普通の考えからは納得できない主張だろう。だがそうした介入が決して理想のために行なわれているのでないのはイラク戦争を見れば誰でもわかる。著者の立場は要するに国際法や… 続きを読む
井塚章文の本棚 10 11月 2013 トリステッサ 「オン・ザ・ロード」のジャック・ケルアック作品。メキシコで出会ったモルヒネ中毒の美人の話。タイトルはその美人の名前なのだが訳すと「悲しみ」だそうだ。チャールズ・ブコウスキー「町でいちばんの美女」に似て美しも悲しい物語。刊行は1960年である。リアルタイムで見た「イージーライダー」(1969)もメキシ… 続きを読む
井塚章文の本棚 10 11月 2013 ウイルスと地球生命 ウィルスというのは種類も数も膨大だという話。しかしウィルスとはなんなんだというところが元々わからなかったけどますますわからなくなった。こういう書いてる方は知りすぎている(であろう)基本的な知識を一般に伝えることというのは難しい。そもそも地球生命というタイトル、これがわからない。地球外生命はわかるが単… 続きを読む
井塚章文の本棚 2 11月 2013 ウナギ大回遊の謎 今年の土用の丑の日7月27日は、気温も高くウナギを食べたくなったが値段を見て敬遠するしかなかった。なぜ値上がりしたかといえば勿論、ウナギが減っているからである。昔はウナギはお客さんに出す食事だった。それが一年中、スーパーで安く買えるようになったのだから採れる量が減るのは当然だ。著者は天然ウナギをあき… 続きを読む
井塚章文の本棚 2 11月 2013 コンニャク屋漂流記 著者、星野博美の実家は東京五反田の町工場である。しかし祖父の出身は千葉県外房の漁師の家でその屋号が「コンニャク屋」だというのだ。ちなみにその一族は和歌山の出だということでルーツ探しに行くのだが外房という言い方が通じないのに東京出身の私は驚いた。おそらく東京東部の小中学校の臨海学校は皆かっては内房にあ… 続きを読む