井塚章文の本棚 22 6月 2014 永山則夫 永山事件の裁判における精神鑑定書作成時に残された録音テープを元にした永山の伝記。優れた心理学者による歴史的な仕事でありそれを発掘した著者の作品もノンフィクションとして優れたもの。簡単にいえば殺人事件は偶然と永山の精神的欠陥によるもの。しかし後者ではあっても拳銃がなかったら殺人事件はおこらなかっただろ… 続きを読む
井塚章文の本棚 14 6月 2014 (株)貧困大国アメリカ 「ルポ貧困大国アメリカ」正続に続く完結編。いみじくもタイトルに㈱が付いたように企業が支配しているアメリカの現状を紹介している。こういう状態をコーポラティズムというらしい。特に槍玉に上がっているのは毎度おなじみモンサント社だが別にここだけが悪者というわけではない。1%が99%を支配するという構図が出来… 続きを読む
井塚章文の本棚 7 6月 2014 『青鞜』の冒険: サブタイトルがうまく本書を表現している。著者森まゆみは伝説の雑誌『谷根千』の元編集人。それだけに『青鞜』の評価は辛辣だ。要するにお嬢さん平塚らいてうの個人の雑誌だったということか。しかし地に足の着いた『谷根千』は雑誌としての評価は高くとも社会に与えた影響という点では『青鞜』に負ける。そこはちゃんと理… 続きを読む