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伊勢神宮 魅惑の日本建築

期待した内容とはちがったがこれはこれなりにおもしくはあった。伊勢神宮の本ではない。日本の古代建築はどのようなものだったかという建築学史についてかかれた本である。なお筆者はかなよみでは漢字を使用しないで文章をかいているのでそれにあわせてみた。
神明造とよばれる伊勢神宮の様式が日本古代の住居のたてかただという説は竪穴式住居の発掘で否定された。むしろ倉庫にもちいられる高床式が神明造のもとになっているらしいとされるようになった。また外国からの影響をうけない純粋の日本式の建築であるとする説と外国からきた様式であるとの対立もあった。そしてその対立は理論的なものではなく学閥と伝統への追従からきているとした。東大京大のあらそいという面はしつこく強調されている。総じて外部からはどうでもいいような話がおおいとはいえる。ただわれわれがすりこまれている常識をうたがうようになるためにはこのぐらいかかないといけなかったのだろうとはおもう。