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大魔神の精神史 (角川oneテーマ21)

新書なのだが読むのじ時間がかかった。269pだから厚めではあるが普通なら3時間以内には読める。理由は著者の薀蓄の深さだろう。映画「大魔神」シリーズは3作品。その解説に1冊まるごと使っている。神話、民俗学は当然、大映という会社に始まり脚本、監督、俳優、特撮、音楽を分析する。これは私の結論だがなぜ大魔神は3作しか作られなかったかの理由はその特殊性だろう。まず時代劇だった。そして大魔神の大きさが4.5mだったこと。等身大のスーパーマンでもゴジラの巨大さでもない適度に人間、適度に怪物、これは神という概念に一番ふさわしいのでなかろうか。しかし映像的には一番難しそうだ。なにを考えているか理解を絶した怪物でも人間と同じ悩みを抱えたスーパーマンでもない。一見人間と同じなのに理解出来ない存在。また舞台が地方だということも特徴である。時代的にも1966年の1年間(に3作というのも驚きだが当時はプログラムピクチャーで年間の日本映画の作品数は大手だけで少なくとも50本以上はあったろう)だけの作品である。いわば古き良き時代の終わりの頃なのだ。当時私は中学生この後衝撃の「年宇宙への旅」(68年)から私の映画遍歴が本格化するのだが実は60年代は世界的に見るとフランスのヌーベルバーグやアメリカのニューシネマというように転換期だったのだ。さて「大魔神」だが私は見ていない。定年後の楽しみにとっておこう。