すべての好奇心をレビューする――「ホンスミ!」

我的日本語 The World in Japanese (筑摩選書)

リービ英雄の本は初めてだ。しかも筑摩選書ということでエッセイだ。そもそも私は著者を日系アメリカ人だと思っていた。そうでないことを本書で知ったのだがそれにしても彼の日本語に対する思い入れは凄い。アメリカ人が日本語で書くことの意味を語ったのが本書なのだ。世界文学には昔から出身国とは違う言語で文学活動をした作家がいた。最近は特に移民系文学が流行っている。それは政治的理由等で自国では暮らせない人が多いと思う。しかし彼は自ら意識的に日本語作家の道を選択した。勿論外交官であった父の影響もあるのだろうがそれ以上に世界を相対化した視点の獲得に魅力があったのだろう。私なりになぜ日本語なのかという理由を考えてみるに漢字、ひらがな、カタカナ併用というのがある。日本的感情を表現する和語、理論的文章を書くための漢字、外来語を自由に文章中に入れることが出来るカタカナ。また3種類の文字を使い分ければ微妙なニュアンスの違いも生まれる。犬、いぬ、イヌみな違う概念と思えてくる。もっとある子犬、仔犬、小狗、子いぬ、子イヌは皆変換候補にある。そもそもタイトル(書名でいいのだが)の「我的
日本語」だって中国語なのだろうがちゃんと私の日本語の意味だと理解できるし並列タイトル(と業界では呼ぶ)「The World in Japanese」だってなんとなく伝わる。日本文学は凄いのだ。