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宇宙誕生 原初の光を探して (筑摩選書)

「僕らは星のかけら」を読んだのは11年前だったようだ。著者マーカス・チャウンによる93年のデビュー作を改訂して2010年に刊行された本書はいわば「僕ら」の前編に当たる。「宇宙誕生の証、ビッグバンの残光を発見した」歴史を扱っている。面白いのは予測されたそれを複数のグループが長い間追い続けていながら見つかったのは2つのグループが同時だったことだ。こういうことは科学史にはよくあることのようだ。そして一方にノーベル賞が与えられた。現在ビッグバンはほぼ間違いないということになっておりさらにインフレーションやダークマター、ダークエネルギーなどという理論を生んだ。宇宙論は我々の宇宙という想像できる最大の存在と素粒子論というこちらは想像すら困難な最小の世界を扱っている。自然科学が到達した極限の世界である。凡人には理解できないのだがそれでも読まずにいられないテーマなのだ。