すべての好奇心をレビューする――「ホンスミ!」

飲めば都

軽い作品である。前にも書いたが悪い意味ではない。また矛盾するようだが欲張りな本でもある。基本的に酒にまつわる連作で構成された長編小説だが出版社を舞台としている点、恋愛小説になっている点でお買い得(とはいいながら図書館で借りているのだが)な作品だ。なお推理小説家らしき謎解きの要素もあるが一番興味を持ったのはこの作品に出てくる酒に関する薀蓄がどこまで本当かどうかという点だ。嘘が混じっているのではないかと思っている。というのはタイトルからして住めば都のパロディだからだ。各章のタイトルも出典があからさま(そのまま)のものはいいとして出典があるのかないのか不明なものがある。その最たるものが「象の鼻」である。蓮の葉を利用して酒を呑むという趣向をこう呼んでいるのだがこれって創作じゃなかろうかと怪しんで調べたらちゃんと奈良の法華寺で象鼻盃と称しているとあった。失礼しました。しかし何年も女子と二人きりで飲み屋に行ってないなあ、行きたいなあ。