すべての好奇心をレビューする――「ホンスミ!」

「今週の電書」(2013/03/16)

このコーナーでは、中島注目の電子書籍をご紹介します。

山田詠美さんの新作が早くも電子書籍になってますね。「死」と「家族」をテーマにした小説。「ダ・ヴィンチ」4月号のインタビューでは〈明日死ぬかもしれないっていうのは、私自身がいつも思っていること〉であり、それが自身の創作のメインテーマでもあると語っていらっしゃいます。また、この物語を著したきっかけのひとつには、東日本大震災の影響もあるのだとか。

「八重の桜」で主役を演じている綾瀬はるかさんの写真集のKindleエディションが出ています。紙版の写真集はコレクションとしての意味も大きいと思いますけど、それゆえに買うのがためらわれるという場合もあります。大判なので場所を取りますしね。その点、電子書籍でしたら場所も取らないですし、いつでも手軽に眺めることができます。画像の解像度が気になるところではありますが(笑)、Kindle Fire HDだったらその点も問題ないんじゃないでしょうか。

僕はKindle Fire HDをコミック専用端末として購入しました(活字本はもっぱらSONY Readerを利用しています)。EInkでコミックを読むのは正直、つらいものがあります。画面遷移がもっさりしますし、そもそもセリフが小さくなってしまって読めない。その点、KidleFireは画面も鮮明ですし、コミックはとても読みやすいです。僕はそれほどコミックを読む人間ではありませんでしたけど、Kindle購入後はキンドルストアを毎週眺めまわしては、面白そうなコミックを探すのが習慣になってしまいました。九井さんの『竜のかわいい七つの子』は、そんな中で発見した一冊です。それまでは寡聞にして存じ上げませんでしたが、丁寧、かつ可愛らしい絵柄に一発で魅了されました。これは電子書籍でぜひ読んでほしい一作です。ファンタジックで、少し奇妙な物語を集めた作品集です。

吉田秋生さんの作品は代表作の『BANANAFISH』を始め、案外と電子化されています。ファンとしては嬉しい限り。しかもこの「海街」シリーズは、現在連載中のバリバリの新作です。鎌倉を舞台とした四姉妹の物語で、過去の『ラヴァーズ・キス』という作品とリンクしています。『ラヴァーズ・キス』は、個人的に一番好きな作品ですので、当時のキャラクターたちにまた会えるという点も、このシリーズの魅力となっています。もちろん、四姉妹を中心とした人間模様の描かれ方も素晴らしい。さすが吉田さんです。