すべての好奇心をレビューする――「ホンスミ!」

日比谷公園

少しは縁があるので読むことにした本だが大変面白かった。単なる一公園のガイドブックではなかった。一〇〇年の歴史ある日比谷公園は、明治の西洋受容の産物だったが、決してつまらぬ外国の公園のコピーではなかった。

著者は幕の内弁当だといい、公園に要求されるのは多様な利用者の満足だという。そして凄いのが維持管理を担った東京都(当時は東京市)の公園課である。独立採算だというのだ。だから日本の公園経営をリードできた企画も自由だったという。戦前の公務員の質は高かった。民営化なぞ必要なかったのである。今はなきものに動物園と児童遊園がある。特に後者は指導員を配置し今はやりのプレイパークの魁だった。昨今の行政に欠けているのはずばり理念である。ところがむしろ私企業の方にこそそれがあるなら、民営化に正義があることになる。効率化などというのは行政においては決して最優先されるべきものではない。