すべての好奇心をレビューする――「ホンスミ!」

天皇とマッカーサーのどちらが偉い?

著者をご存知だろうか。若い人は知らないかも知れない。どう紹介すればいいのか悩む。1946年生まれのアメリカ在住の著述家としておこう。内容は日米関係を中心とした戦後史だろう。ただいわゆる正史ではない。個人史なのだが文化史的にとても面白かった。というのは著者の経歴が戦後史上の事件に深く、または浅く関わっているからである。事件とはベ平連による在日米軍脱走兵の海外脱出のことである。これも説明が必要だろうなあ。若者が政治活動を普通にしていた時代だった。今度のALWAYS三丁目の夕日が1964年そしてこの事件は67年のことだった。つまり反米活動家だったのだがそんな著者がなぜアメリカにいるのか。そこが聞けば聞くほど面白い話なのだ。中でも一番興奮したのは実は著者本人ではなく著者の父親の話。早稲田の先生だった室勝氏のことだ。浅田次郎の「終わらざる夏」の主人公、片岡直哉のモデルではないかと思ってしまったのだ。共通点は翻訳家、住んでいたのは江戸川アパートなのだ。誰かこの2作品をどちらも読んだ人はいないだろうか。きっと賛同してくれると思うのだけどなあ。