すべての好奇心をレビューする――「ホンスミ!」

地図をつくった男たち:

地味な本である。業界史で一般向きとはいえない。しかし明治の役人たちの動向は面白い。今「八重の桜」を大河ドラマで進行中だが幕末から明治の人々の数奇な運命は閉塞感の漂う現代においてはある種、危険な香りがある。こちらはそんな華々しい内容ではない。ひたすら各々の役割に殉じた人々の話である。明治の役人たちの待遇は劣悪だった。ブラック企業そのものだ。しかし彼から国家建設の礎だった。あるときはイギリス、あるときはフランス、あるときはドイツ、あるときはアメリカの派閥を形成し、勝ったり負けたりした。理不尽な変更も多かった。無駄になった仕事もあった。なお近代の地図作成の歴史には伊能忠敬以前の日本の測量技術の高さ、それには和算の集積が寄与した、も忘れるわけにはいかない。