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ニュートンと贋金づくり

タイトルから色々想像できるが正解は造幣局監事だったニュートンが何度も逃げおおせてきた天才贋金づくりを裁判に掛け死刑にしたというもの。そう書くと「探偵ガリレオ」みたいだが実際は密偵を多様し関係者の口を割らせて訴訟に持ち込んだ鬼検事といったところだった。つまり科学史としてニュートンを描いた評伝だと思うと裏切られる。むしろイギリスのいい加減だった貨幣政策史、広くいえば経済史、さらにいえば17世紀英国史といった内容である。学者としてのニュートンは、どちらかといいえば名誉に収入が伴っていなかった(この時代、学者はエリートの趣味という面があった)。そこで、待遇面でよかった造幣局監事になったが、待ち構えたいたのは当時の財政の危機的状況だった。ニュートンは、その才能をいかんなく発揮した。ここでの才能とは天才的なひらめきではない。一つのことに打ち込みそして持続する力のことだった。むしろ異彩を発揮したのは贋金づくりの方た。たびたびの犯罪を企てながら危機が及ぶと仲間を裏切り、あまつさえ堂々と冤罪を訴え、さらに当局を攻撃し、防止策まで提言する図々しさだ。杜撰で金次第の司法がこういう犯罪者を処罰できなかった理由だろうがニュートンには通用しなかったということである。