すべての好奇心をレビューする――「ホンスミ!」

百鬼園百物語

泉鏡花の「おばけずき」に続く文豪小品シリーズ第2弾。まるで「聊斎志異」を読んでいるよう。どこまでが現実でどこからが夢のなかなのか。大正から昭和にかけて書かれたこれらの作品が妙に時代を超越して迫ってくる。基本的には大正モダンもしくは大正ロマンというべきなのだろうか。収録作の「四君子」では筒井康隆並みに「小田急、勧業銀行、鉄道省、満鉄」の4人が出現し驚いた。種を明かせば教え子たちの就職先なのだが、なにしろ夜中に硝子戸をどんどん敲いた者達で結局玄関を開けなかったのだから外には会社の建物や列車が集まっている姿を想像してしまう。そもそもこうしたことは主人公が教師時代に生徒を連れて行った悪戯を彼らが覚えていたからだという。そこからして嘘くさいのだが。