すべての好奇心をレビューする――「ホンスミ!」

高校紛争

ジャーナリストの文章である。研究者(学者)の著作ならもっと大部なものになったろう。とはいえこれは労作である。結構長い時間を掛けて調査取材をしたと思われる。だが当事者だから言うのだが新書の制約ゆえかせっかくの資料をもっと紹介してほしかった。著者は1960年生まれいわば一世代後の生まれである。だから子どものころに高校紛争があったことをかすかに知っている。まさにこの本を書くのに一番いい世代かも知れない。なまじ当事者では客観視できない。まったく知らなけれな当時の雰囲気つまり時代がわからない。ただ矛盾するが高校紛争の本質を理解することは無理だろう。流行現象と見ている。勿論、それは皮相なものではないが。例えばいま東京スカイツリーがブームである。移り変わりの激しい時代だから10年後にはそんなことがあったっけということになるかもしれない。しかし2012年にはわれわれにとってそれは希望の象徴なのだと思う。そう高校紛争も当事者にとって希望だった。連帯、社会を変えられる可能性、だが結果はご存知のとおりである。