すべての好奇心をレビューする――「ホンスミ!」

笑い三年、泣き三月。

「茗荷谷の猫」に続いての木内昇作品だが読後感は全く違う。なにより話のテンポの違いに戸惑った。だが読み終えて思うのだがこれはコント55号を小説にしたような作品だったのではないだろうかというものだった。主人公は誰だったのだろうか。岡部善造は最初のページに登場するのだから主人公だろうか。その善人ぶりは小説として誇張されている。二郎さんである。欽ちゃんは誰だろう。当然鹿内光秀だ。では田川武雄は。写真家になりそうなことから田沼武能を連想した。浅草生まれだが彼は戦災孤児ではない。勿論作家の若き日ではない。まあ謎だ。「茗荷谷の猫」も話が繋がっているのかいないのか微妙なところが魅力だったし、謎は謎のままで良いだろう。私としては故郷の浅草の生まれる前の風景が描かれていただけで満足だ。