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贈与の歴史学

タイトルは歴史学だが内容は経済史といっていいだろう。贈与のシステムがほぼ資本主義経済といっていいまでになっていた15世紀の日本の実情を大量に残っている公家や僧侶の日記から紹介している。ではなぜ当時つまり室町時代の経済システムは資本主義に移行しなかったのか。そこがよくわからなかった。戦国時代に入りこの異常な発展を遂げていた贈与経済は衰えてしまうという。勿論、下克上の時代に贈与経済は似合わないが。室町時代というのは実は文化的には高度な時代だった。例えば能が成立した。金閣銀閣という優美な建築もある。しかし経済的にはあまり豊かではなかったようだ。幕府権力の弱体化に伴い贈与により成り立っていたという経済システムは破綻していったようだ。