すべての好奇心をレビューする――「ホンスミ!」

炭素文明論

タイトルはよくある未来は明るいという怪しげな本のようだが内容は有機化合物が世界史上、重要な役割を果たしてきたというもの。「銃・病原菌・鉄」を連想した 。面白かった。しかし化学式というのはさっぱりわからない。なぜ原子の数が異なると別の分子となり別の性格になってしまうのかからして文化系の人間にはなかなか納得出来ない。それにしてもこのタイトル、間違いというわけではないのだが炭素そのものの話ではないという、しかし有機化合物文明論では誰も買わないだろう悩ましいものだった。『新潮45』というおよそ化学と縁のなさそうな雑誌に連載されたときのタイトルは「世界史を変えた化学物質」だったそうでそのままで良かったのではと思ってしまった。ちなみに取り上げられた化学物質は章のタイトルを見るとデンプン、砂糖、芳香性化合物、グルタミン酸、ニコチン、カフェイン、尿酸、エタノール、ニトロ、アンモニア、石油である。結構、文化系でもついていけそうだが世界史とは直接繋がらない。そこがちゃんと繋がっていることを教えてくれた、良書である。