すべての好奇心をレビューする――「ホンスミ!」

もうひとつの街

まるで宮﨑駿作品のような小説。街の中に別の世界が同時にあり行き来できる。同じような設定でも「都市と都市」はどちらもリアルな存在で住民は互いの存在を無視しながら生活しているという東と西のベルリンが市松模様のようになっている都市の話だったがプラハが舞台のこちらは次元が違うというか「もうひとつ」の世界は最初に書いたように例えば「崖の上のポニョ」で魚が街の中を泳いでいるシーンがあったと思うがああいう二つの世界が重なっているイメージである(表紙を御覧ください)。そして最後に主人公はおそらくもうひとつの世界に行ったきりになると思われるのだがここは安部公房の「砂の女」の最後を思い出してしまった。
「見知らぬ文字で書かれた本を発見した「私」が、入り込んだ「もうひとつの街」には異界が広がっていた。」という導入部や図書館の奥にジャングルがあるとか読者家好みの設定で詩的かつ哲学的。かなり高い評価を与えられる作品だと思う。