すべての好奇心をレビューする――「ホンスミ!」

絵はがきの時代

いやに文学的な書き出しである。出版社を見たら青土社だった。それにしてもと著者の経歴を調べたらコミュニケーション論を大学で教えているらしい。詳しく書くと面白いのだが省略します。「アルプスからの挨拶」の章では観光との関わりが扱われている。これはいわばオーソドックス。「透かしは黄昏れる」は裏から光を当てることにより景色が夕方になったり隠れた絵が浮かぶという透かし入りの絵はがきの章である。「一枚の中の二枚」は立体写真。「洪水と空白」は水害絵はがきというもので絵はがきが当時の映像による速報メディアだったこと。「色彩と痕跡」は彩色写真でこれは絵はがきに限らない。総じて展覧会や戦争というような時事を扱った絵はがきの話が多い。今と役割が違うのだ。例えば校舎が竣工すると式の参加者に記念に配られるというような使い方をされた。今やほとんど姿を消した写真館が町の事件の絵はがき発行者だったりした。この辺は仕事で扱っているので書いているのだが。本の話に戻る。面白かった。お勧めです。海野弘や鹿島茂が好きなら気に入ると思う。