すべての好奇心をレビューする――「ホンスミ!」

世界を制した「日本的技術発想」 (ブルーバックス)

正月は重たい本ばかり読んできた。今年ほど充実した読書体験をした正月は過去になかった。そんな中いわば平和な本がこれである。内容は盛り沢山。青色発光ダイオード、アシモ、インクジェットプリンター、ウォークマン、ウォシュレット、液晶、カーナビゲーション、カーボンナノチューブ、クオーツ式ウォッチ、携帯電話。索引のア行、カ行でざっとこんなところである。大変結構。いい本である。だが気になったのは著者の年齢である。1935年生まれだから今年は74歳になる。この歳だから書けたともいえる。この歳で元気なのにも感心する。若者よしっかりしろとも思う、だが元気な年寄りがいるから若者が頑張れないのかもしれない。上記の例の製品でも頑張りすぎて利益が伴わないものも多い。有名なのはケータイでガラパゴス化といわれている。他国の進出を許さない域にまで達しているのはいいがそれは日本語という特殊事情で充分なはずだ。あきらかに多機能、高機能すぎる。理由は創造者を尊重しない風土にあり利益より売り上げ重視にある。反省すべきはメーカー経営者たちではないだろうか。彼らの多くも戦前生まれではないだろうか。