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白川静 漢字の世界観 (平凡社新書)

平凡社は白川静の字書三部作の版元である。その平凡社新書で松岡正剛による白川の評伝が出た。「字統」等は大著なので私の持っているのは入門編の「常用字解」であるのだが凡人には漢字というのはおどろおどろしいものだなあとしか思えなかった。だが本書を読むとさすが松岡さん、うまく解説している。「常用字解」の表紙にはサイがデザインされている。サイとは要するに口という漢字の元で祝詞を入れる器だという。このサイから本書の解説も始まっているからよほど白川学では大事な概念らしい。だが本書は漢字の字源の解説ではない。白川学の解説書なので漢字は国字だという目から鱗の解説もあったりする。つまり日本人はアルファベットをヨーロッパ人が利用し英語やフランス語にしたように日本人は漢字を利用し日本語を作った(書いた)のだという。これはとてもよくわかる話でいまだに日本人は外来語という形で語彙をどんどん増やしている。しかも例えば心とこころのように2種類の書き方(いいかた)を併用してハートも増やし絵文字のハート形だって使っている。要するにハイブリットだなあと思うのだった。