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和本の海へ 豊饒の江戸文化 (角川選書)

仕事がら江戸時代の出版物の量と種類の多さは承知している。そんな「和本」の世界を紹介した本である。ざっと目次を見てみよう。
象の解説本「霊象貢珍記」ペットとしてのネズミの飼育書「養鼠玉のかけはし」指紋占い「男女手紋三十二相」宝くじ必勝法「富札買様秘伝」着物の柄の見本帖「小紋帖」遊女評判記「姿摸嗜茂草」岡場所細見「おみなめし」大工用語集「紙上蜃気」接客マナー「臨時客応接」辻番心得書「異扱要覧」蔵書印集「一刀萬象」「日本麦酒集」(これは明治だが)書道のお手本「詩仏苦吟帖」「三十六峰山陽外史遺墨」展覧会カタログ「赤松居展観図録」「南可亭書画展観目録 乙亥」絵のお手本「蒲桃画譜」「画学叢書」漢詩のパロディ「図惚先生詩集」「一部詩集」わ印(AVのようなもの)「開巻斂咲」「春窓秘事」。要するに実用書から趣味の本、マニュアルまでなんでもありなのだ。そのなかで気がつくことを書いておく。趣味の本の対象になるのはどちらかといえば男、識字率の高さ、木版という手軽さから図書しかもビジュアルなものも多い。